「米国ETFにするか、投信にするか迷っている」
この記事では、こんなお悩みにお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、米国経済全体に投資するVTIについてご案内します。
・VTIの概要について説明しています
・VTIとVOOのパフォーマンスを比較しています。
・おすすめの投資方法について説明しています。
VTIとは
VTIの正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」
VTIとは3,700以上の銘柄から構成され、あらゆる規模の米国株式に投資するETF。
時価総額の大小に応じて投資をしており、米国株式市場で投資可能銘柄の99%以上をカバーしている商品です。
S&P500指数に連動するVOOが大型株に限定されているのに対し、VTIは中小型株も投資対象としていることが特徴です。
VTIの概要 (VOOとの比較)
VTIの概要について、VOOと比較しながら見ていくことにしましょう。
株価
VTIの株価は2021年5月25日時点で約217ドル(円ベース:約23,600円)となっています。
VOOの約385ドル(円ベース:約42,000円)に比べ1口単価が安く、少額投資には向いています。
配当
分配金は、VOOと同じく年4回(3月、6月、9月、12月)となっています。
経費率
経費率はともに0.03%と非常に低いコストとなっています。
仮に100万円相当保有していた場合、年300円と驚きの水準です。
上位10銘柄
上位銘柄の顔ぶれは変わらず、1位から10位までの順位も同じです。
構成銘柄数の違いにより、上位株式のシェアはVOOの方が高くなっています。
≪構成銘柄数≫
VTI: 3,781 (2021年4月30日時点)
VOO: 507 (2021年4月30日時点)
(vanguard社 HPより)
VTIとVOOのパフォーマンス比較

成長性
VOOが設定された2010年9月を起点とし、成長率を比較したチャートとなります。
中小型株を含むVTIのパフォーマンスがやや上回っています。
ただし、VOOも米国株式の80%をカバーしているだけあって、ほとんど同じ動きをしていることが分かりますね。
上のチャートは1年前からの成長率を比較しており、2020年10月以降の推移となります。特に2020年11月の大統領選挙以降、中小型株を含むVTIとVOOのパフォーマンスに開きが出ているようです。
この要因として挙げられるのは、下記の通り。
1.米国の長期金利上昇などの影響もあり、グーグルやアマゾンなどグロース株(成長株)の勢いが弱まってきたこと。
2.ワクチン普及に伴う経済回復の期待から、これまで劣勢であった割安株や中小型株の株価が上昇してきたこと。
分配金
2014年以降、分配金利回りについては大きな差はありません。わずかにVOOの方が高い水準をキープしています。どちらも概ね1.5~2.0%前後で推移しています。
VTIとVOOどちらがおすすめ
私の見解としては「どちらでも良い」という前提ながら、あえて選ぶとすると、
「VTI」
となります。
理由としては次の2点
①米国ではベンチャーから急成長を遂げた会社がいくつも表れているから。
②株式市場では割高感もあり、なるべくリスク分散を図るため。
ただし、これまでの比較でも分かるように、VTIとVOOのパフォーマンスやコスト面でほとんど差はありません。暴落する局面ではこれまで同様、どちらを選んでもほとんど同じような動きを示すことが予想されます。
そのため、どちらに投資するかについては、「中小型株を含めたいかどうか」といった好みで選べばよいでしょう。
楽天VTIという選択肢

最後に、私のおすすめは投資信託「楽天・全米株式インデックス・ファンド」への積立投資です。
この投資信託はVTIを投資対象とし、VTIと連動する投資成果を目指すインデックスファンドであり、投資家からは「楽天VTI」との略称で呼ばれています。
楽天VTIが、本家のVTIと異なる点は主に以下の通り。
・分配金を出さず、ファンド内で再投資されている
・100円から円ベースで投資できる
・VTIに比べ信託報酬(経費率)は高い
投資信託のため、信託報酬0.162%とVTIの0.03%に比べると割高となってしまうデメリットがありますが、下記の点から、それ以上のメリットがあることからおすすめです。
(Investing.com HP および楽天証券 HPより引用)
1.投資効率が良いこと
国内投信のため、100円から1円単位で購入することができます。この商品は分配金がなく、自動的にファンド内で分配金が再投資されるため、複利効果をフルに発揮することができます。
上のチャートは1年前からの株価・基準価額の推移を表したものです。
左:VTI 成長率45.48%
右:楽天VTI 成長率48.86%
VTIの方は分配金の再投資が考慮されていないため単純比較することはできませんが、以下の点から投資効率の面で差があるといえます。
・VTIは1口単位の購入であることから、配当金を再投資する場合も1口以上の金額になるまで積み立てる必要があること。
・VTIの分配金に対しては、都度課税されること。
2.クレジット決済により、楽天ポイントが付与されること
さらに楽天VTIの方は楽天カード決済で積立投資すると、毎月上限5万円まで100円に対し1ポイント(1円相当)の楽天ポイントが付与されます。
仮に月3万円積立した場合、毎月300ポイント、年間3,600円相当のポイントが得られます。
利回りで1%相当となるため、信託報酬の差を考慮してもメリットが出ることになります。

まとめ
今回の記事をまとめると、
・VTIは中小型株を含め、米国経済全体に投資することができる商品。
・VTIとVOOのパフォーマンスは大差無し。直近はVTIがやや有利。
・積立投資ならば、投資信託「楽天VTI」もおすすめ。
長期的な成長が期待できる米国経済全体に投資ができるVTIは、コストも低くポートフォリオの一部に組み入れたい銘柄です。少額・積立ならば楽天VTIという選択肢もあります。この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
