「XLFとどちらを選べばいいの?」
この記事では、こんなお悩みにお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、米国金融セクターETFについてご案内します。
・VFHの概要について説明します
・XLFとパフォーマンスを比較しています。
・配当実績や投資対象としての魅力を解説しています。
VFH・XLFとは
VFHの正式名称はバンガード・ファイナンシャルズETF
MSCI USインベスタブル・マーケット金融インデックスに連動する投資成果を目指す
米国ETFです。
XLFの正式名称は金融セレクト・セクター SPDR ファンド
金融セレクト・セクター指数に連動する投資成果を目指す米国ETFです。この指数は
S&P500指数における金融セクターのパフォーマンスを図る指標となっています。
いずれも金融セクターに特化したETFなので、金利上昇局面になると注目される銘柄です。
VFH・XLFの概要

信託設定日など
(TradingView HPより引用 VFH:青色、XLF:オレンジ色)
VFHは2004年、XLFは1998年の設定です。XLFの方が歴史があり、純資産規模は約4倍の開きがあります。
経費率はどちらも低く大差ないですが、低コストで有名なバンガード社が一歩リードですね。
構成銘柄数
構成銘柄数はVFHが400以上と圧倒的に多いです。XLFはS&P500指数に採用された中で金融セクターの銘柄に特化しているため、銘柄数が少なく大型株で構成されていることが分かります。
上位銘柄
上位銘柄を比較してみると、順序は異なりますが1~10位までの銘柄は共通しています。
XLFは構成銘柄数が少ないため、上位10銘柄で54%以上のシェアとなっており、各銘柄のシェアもVFHより高いです。
金融セクターの上位銘柄は、日本でも聞いたことがある会社が多いのではないでしょうか。バークシャー・ハサウェイは著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社です。
サブセクター構成比率

VFHとXLFのセクター構成は上記の通り。運用会社の違いから、VFHの方が細かく分類表示されています。
いずれも銀行が4割弱と最もシェアが高くなっています。その他セクターについても同じような構成割合となっています。
金融セクターETFの特徴
(TradingView HPより引用 VFH:青色、XLF:オレンジ色、SPY:緑色)
パフォーマンス比較
2004年1月からの増減率について、S&P500指数に連動するSPYと比較したチャートです。
やはり長期で見てみると高成長の情報技術セクターを含むSPYのパフォーマンスが圧倒していることが分かります。
VFHとXLFを比較すると、経費率が低いVFHがパフォーマンスでは少し上回っていました。
(TradingView HPより引用 VFH:青色、XLF:オレンジ色、SPY:緑色)
直近1年間の短期チャートでみると、SPYよりも金融セクターETFの方が高いパフォーマンスであったことが分かります。
これはコロナショックからSPYが急回復していたためです。2020年7月時点では金融セクターの回復が遅れていたことを確認しておきましょう。また、米大統領選挙が行われた2020年11月以降に金融セクターが急回復したことも注目です。

分配金推移
次に年間分配金と配当利回りを比較してみましょう。
VFHの利回りは1.5~2.8%、XLFの利回りは1.0~2.4%の範囲で推移しており、どちらも高配当とはいえなさそうです。
VFHの方が高い利回りとなっていますが、2020年が前年と比べ減配となっているところが気になります。
一方、XLFは2010年以降、増配を続けています。2010年からの増加率では、VFHの3.7倍に対し、XLF4.7倍と上回っています。
まとめ
金融セクターに特化したETFを比較して見てきました。VFHとXLFでは大きな差はありませんが、どちらかを選ぶとすると個人的にはVFHがおすすめです。
理由としては以下3点が挙げられます。
・経費率が低いから
・配当利回りが高いから
・構成銘柄数が多いから
金融セクターETFは銀行株の割合が多く、金利上昇局面では株価上昇が期待できます。今後開催されるFOMCの結果次第では、金融セクターに注目が集まる可能性もあります。
個人的には、それほど高配当ではないこと、既に割高感も出ていること、まだ当面は低金利環境が続きそうであることから、今のところ金融セクターへの投資は考えていません。
不況時に大きく下落するセクターであることから、今後利回り3%を超えるタイミングがくれば、リスク分散の観点からポートフォリオの一部に組み入れてみたいと考えています。
