「PFFの特徴は?」
この記事では、こんな疑問にお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、米国優先株ETFについてご案内します。
・PFFの概要について説明します
・他のETFとのパフォーマンスを比較しています。
・高配当などの魅力を解説しています。
インカムゲインを狙いとする高配当株は人気があります。米国ETFでは高配当ETFのVYMやHDV、SPYDはよく知られていますね。
高配当投資には、それ以外にも優先株式を投資対象とするETFを選択する方法もあり、下記のFIRE本でも紹介されています。そこで、今回は優先株ETFについてまとめてみました。
優先株式とは

優先株式とは、株式と債券の中間に位置する有価証券のことです。
普通株式にはある「株主総会での議決権」がない一方、配当の支払いにおいて、普通株式よりも優先されることが特徴です。
一般的な個人投資家の多くは、議決権の有無よりも配当が多い方がうれしいのではないでしょうか。企業にとっても経営に干渉しない株主から資金を集めることができるメリットがあります。
このように色々な魅力のある優先株ですが、日本市場ではあまり見かけないですね。米国ETFには、優先株を集めたETFがあるので、簡単に優先株への分散投資をすることができます。
PFFとは

正式名称は、iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF
主な特徴は以下の通り
1.高配当であり、毎月分配
2.平常時は比較的価格変動が小さい
3.金融危機に弱い
1.高配当であり、毎月分配

優先株を集めたETFであり議決権が無いため、高配当です。米国ETFは四半期毎の配当が多いですが、PFFは毎月配当となっています。
2015年以降、おおむね5%前後の配当利回りで推移しています。安定収入を期待する投資家にとっては魅力的なETFといえるのではないでしょうか。
2.平常時は比較的価格変動が小さい
(TradingView HPより引用 PFF設定以来チャート)
過去の株価推移をみても、平常時はあまり値動きがありません。平常時はどちらかというと債券的な性格といえそうです。
3.金融危機に弱い
(BlackRock HPより引用)
平常時の値動きは少ないものの、ディフェンシブ銘柄と同じように判断して投資するには注意が必要。PFFは構成銘柄が金融セクターを多く含むため、金融危機に極めて弱いという特徴があるためです。
リーマンショックの際には、半値以下に暴落しています。一方、コロナショックの際には、異次元金融緩和により、金融危機が発生しなかったため、株式市場全体と比べると下落率が抑えられる結果に。
パフォーマンス比較
(TradingView HPより引用 PFF:青色、VOO:オレンジ色、VFH:黄色、VYM:緑色)
金融セクターへの投資割合が多いことが分かりましたが、それでは他のETFと比較してパフォーマンスはどうなっているか確認してみましょう。過去5年間で比較しています。
比較対象のETFは次の通り。
VOO:S&P500指数に連動するETF
VFH:金融セクターに特化したETF
VYM:大型株の高配当銘柄に投資するETF
チャートを見ていただくと一目瞭然ですが、他のETFに比べ値動きが極端に少ないことが分かります。コロナショック時は流石に下落していますが、下落率も抑えられていますね。
面白みに欠けるといった面や、経費率がやや高い(0.46%)ところは気になりますが、安定した高配当を重視する投資家にとっては、ボラティリティの少なさはメリットになるかもしれません。
また、他のインデックスファンドと値動きの相関が少ないことから、ポートフォリオの一部に組み入れることで、分散投資(リスク低減)効果も期待できます。
配当狙いで少しずつ買い増す方法もありますが、金融危機等による短期的な暴落局面はむしろ購入のチャンスといえそうです。


