「SPYDとどちらを選べばいいの?」
この記事では、こんなお悩みにお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、高配当ETFであるHDVについてご案内します。
・HDVの概要について説明します
・SPYDとパフォーマンスを比較しています。
・配当実績や投資対象としての魅力を解説しています。
HDVとは
HDVの正式名称は、「ⅰシェアーズ・コア米国高配当株ETF」
世界三大運用会社である米国のブラックロック社の商品です。
財務内容が優良な銘柄を厳選し、約75の銘柄に分散投資するETF。
生活必需品やエネルギーセクターの投資シェアが比較的大きいこと、財務不安定な企業やビジネスモデルに強みがないと判断された企業が除外されることが特徴となっています。
HDVの概要 SPYDとの比較

信託設定日
(TradingView HPより引用 VYM:青色、HDV:オレンジ色、SPYD:緑色)
HDVの信託設定日は2011年3月。約10年の運用実績であり、SPYDと比べると歴史もあり、純資産も大きくなっています。
同じく高配当ETFのVYMは2006年11月の設定となるので、古くも新しくもない
ファンドですね。
それぞれの信託設定日からの増減率を比べると、VYM>HDV>SPYDの順となっています。コロナショック前まではHDVのパフォーマンスが最も高かったことが分かりますね。
構成銘柄数
HDVは、高配当であり財務健全性で一定の評価を受けている約75銘柄から構成されています。
財務健全性などにより、四半期毎に構成銘柄を見直す運営を行っており、2021年6月現在は74銘柄となっています。銘柄見直しの頻度が高いことも特徴の一つ。ちなみにVYMは年に1回、SPYDは半年に1回の見直しです。
財務内容が悪化するとすぐに対象から外されることになるので安心ですね。
上位銘柄

1位がエネルギーセクターのエクソンモービルでシェア9%以上となっています。上位銘柄には、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップ・モリス、コカ・コーラなど日本でも知名度の高い企業が並んでいます。
HDVは現在74銘柄に投資していますが、上位10銘柄だけで約55%ものシェアを占めています。他のETFと比べて、上位銘柄の影響を受けやすく、好みの分かれるところです。
セクター別

次にセクター別の割合について、SPYDと比べてみましょう。
HDVの上位セクターが「生活必需品」「エネルギー」「ヘルスケア」であるのに対し、SPYDでは「金融」「不動産」「エネルギー」となっており、かなり異なっていますね。
HDVの上位セクターはそれぞれ不況時に強い特徴があり、HDVのディフェンシブな特徴の要因となっています。不動産セクターが含まれていないことも確認しておきましょう。


HDVのメリット

1.危ない高配当銘柄が含まれていない
高配当株にありがちな財務内容悪化による株価下落の結果、配当利回りが高くなっている銘柄が含まれないことはメリットです。
高配当ETFのSPYDでは、S&P500指数の中で配当利回りの上位80銘柄に均等投資しているため、財務内容が脆弱な企業も含まれる可能性があります。
HDVでは、財務健全性を重視し四半期毎に銘柄の見直しをしていることから、安心して長期投資を続けることができます。
2.配当だけでなく株価の成長も期待できる
(Google Financeより引用)
財務内容優良で高配当の銘柄に厳選しているため、中長期でみると、株価の成長も期待できます。2021年6月30日時点で、設定当初(2011年4月1日:50.73ドル)から約90%も株価上昇しており、年平均約8.9%と高い成長を続けています。
3.分配金の成長が期待できる

上位銘柄は連続増配株が多く、P&Gの連続増配年数の64年を筆頭に、コカ・コーラとジョンソン・エンド・ジョンソンがそれぞれ58年、エクソンモービルが38年と続きます。
そのためHDVの年間分配金も長期では右肩上がりの成長を続けています。長期投資をすることで実質配当利回りの成長も期待できます。
HDVのデメリット

過去5年のパフォーマンスが他のETFに劣後
(TradingView HPより引用 VYM:青色、HDV:オレンジ色、SPYD:緑色)
過去5年の株価成長率を他の高配当ETFと比較したチャートです。VYMやSPYDに比べ、直近のパフォーマンスは劣勢です。
ボラティリティが高く、過去5年間で最もパフォーマンスが厳しい「エネルギーセクター」のシェアが高いことが主な要因と考えられます。
しかし、インフレやテーパリングが予想される中、足元のエネルギー価格は上昇傾向であり、今後のパフォーマンスがどのように推移するかは注目していきたいところです。
上位銘柄のシェアが高く、分散が十分といえない
上記でも記載の通り、74銘柄のうち上位10銘柄で55%ものシェアを占めていることから、リスク分散の観点からやや疑問が残ります。
高配当ETFであるVYMの構成銘柄数が400以上あることを考えると、かなりの差があるといえます。一方、上位銘柄は10年を超える連続増配企業が多く、財務健全性の面で信頼ができる大企業ばかりです。
よって、一概にデメリットといいきれません。不況が見込まれる状況においては、数は少なくても財務健全性の高い銘柄を集めたHDVが好まれるのではないでしょうか。
まとめ
HDVは連続増配企業など財務内容が優良な銘柄を投資対象とするため、ディフェンシブで安心感のある商品です。設定来の成長率も年9%近くと高い成長を続けており、配当利回りも高く、人気のETFです。
よって長期投資の観点より、十分におすすめできるETFです。
本記事を要約すると
・HDVは財務健全性に着目して高配当銘柄に投資するETF。
・エネルギーセクターの比率が高めで、過去5年のパフォーマンスではVYMやSPYDが有利。
・不況に強く、長期的にキャピタルゲインとインカムゲイン両方が狙えるETF。
個人的にはHDVとSPYD両方に投資することがおすすめです。SPYDと合わせてポートフォリオに組み込むことで、セクターのバランスが取れるためです。SBI証券やマネックス証券では、定期買付サービスもあるので、少額から始めてみてはいかがでしょうか。


