「アメリカに集中することに不安」
この記事では、こんなお悩みにお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、全世界に分散投資するVTについてご案内します。
VTとは
VTの正式名称は、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」。
VTは、先進国や新興国を含む世界47カ国の株式に投資するファンドです。
大型株から小型株まで9,000以上の銘柄に投資しており、時価総額ベースで全世界株式の98%をカバーしています。つまり、VT1本を買えば全世界の株式に分散投資することができるわけです。
それでは、VTの強みである「分散投資」について詳しく見ていきましょう。
地域別・構成銘柄・セクター別
地域別

北米のうち米国が約57%を占めています。現時点では良くも悪くも、アメリカ経済の影響を強く受けるファンドであるといえます。
ただし、各地域の経済状況により、構成割合は変化していくことになります。
VTには「経済成長率の高い地域への資産配分を増やす」というポートフォリオの見直しが自動的に行われるというメリットがあります。
上位銘柄
上位銘柄はGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)を中心とした世界経済をリードする企業が並んでいます。
1位のアップルでさえもシェア3%未満、GAFAMを除くと、それぞれシェア1%未満と広く分散が図られていることが分かります。
セクター別

セクター別では、GAFAMの成長に伴い「テクノロジー」がトップで、シェアも増加傾向となっています。GAFAMのような高成長株は、景気変動の影響を受けやすい特徴があります。
・米国のシェアが6割程度
・銘柄は小口分散している
・IT関連のシェアが高い
VTの特徴として、次のことが挙げられます。
①分散はしているが、景気変動の影響は受けやすい。
②将来、米国経済が低迷しても、自動的に配分調整(リバランス)が行われるため、成長国経済の恩恵を受けることができる。
VTのパフォーマンス 他のETF(VOO,VYM)との比較
引用元:TradingView HP
(青色:VT、水色:VOO、オレンジ色:VYM)
株価推移
それではVTのパフォーマンスについて、米国の大型株式に投資するVOO、
米国の高配当ETFであるVYMと比較しながら、見ていきましょう。
リーマンショック以降の株価推移を比べると、米国株式に集中投資しているVOOのパフォーマンスが最も高くなっています。米国高配当銘柄に投資しているVYMがそれに続き、VTが最も低くなっています。
それでもVTの過去10年の年平均成長率は9.9%と高い成長を実現しています。
分配金実績

分配金実績においても、高成長の米国企業に集中投資しているVOOの実績が突出しています。VTの分配金は1口当たり年1~2ドルの範囲で推移しています。
株価推移や分配金実績を比較すると、やはり過去10年のパフォーマンスでは米国集中投資には及ばず、VT投資のデメリットといえるでしょう。
米国経済への将来不安を感じる投資家にとっては、リスクヘッジの観点からポートフォリオの一部にVTを組み込む選択肢は良さそうです。
VOOとVYMについては、それぞれ別記事をご参照下さい。


純資産総額と経費率
純資産総額
VTの純資産総額は約2兆2,000億円。
国内の投資信託と比較するとその規模の大きさが分かります。
国内で販売されている投資信託の中で、投資対象に海外株式を含むファンドの中で最大規模の商品が、グローバルESGハイクオリティ成長株式(H無) 『愛称:未来の世界(ESG)』となります。
VT 約2兆2,000億円
未来の世界 約1兆300億円
経費率
米国ETFの強みの一つ。VOOの0.03%には及ばないものの、それでも0.08%と圧倒的な低コスト。年間100万円を運用した場合、わずか800円と驚きの水準です。
まとめ

VTのメリット・デメリットをまとめると、
●メリット
・ポートフォリオのリバランス
・圧倒的な分散投資
●デメリット
・米国集中投資よりパフォーマンスが低い
・配当利回りが低い
長期投資の観点から、ポートフォリオの一部としておすすめのETFです。
まずは、「少額の定期積立投資」から始めてみませんか?