「米国ETFでおすすめの銘柄を知りたい」
この記事では、こんなお悩みにお答えします。
この記事を書いているのは、
この記事では、高配当ETFの中からSPYDについて紹介していきます。
SPYDとは
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(通称:SPYD)とは、S&P500®高配当指数の値動きに、経費控除前ベースで、概ね連動する投資成果を追求するファンド。
S&P500とは
米国の証券取引所(NY証券取引所、ナスダック)に上場している米国企業で、流動性のある大型株の中から選ばれた、代表的な500銘柄で構成されています。
SPYDはS&P500指数の構成銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄に投資するETF(上場投資信託)です。
SPYDの概要(VYMと比較)

SPYDの概要について、VYMと比較しながら確認していきましょう。

信託設定日
(TradingView HPより引用)
信託設定日は2015年10月。約15年の運用実績があるVYMと比べると、
SPYDは6年弱と短く、比較的新しいファンドといえます。
構成銘柄数
S&P500指数の構成銘柄の中で、配当利回りが高い上位の約80銘柄で構成されています。2021年5月時点では78銘柄となっています。
経費率
SPYDの経費率は0.07%となっています。VYMの0.06%と大差なく、
十分に低コストとなっています。
純資産総額
純資産総額は約36億ドル(円換算で約3,900億円)。VYMと比べると歴史も浅く、資産規模も10分の1程度です。
分配金利回り
配当金は、3月・6月・9月・12月と四半期毎に分配されます。利回りは、
「年間配当金/年度末株価」で算出しています。
SPYDの利回りは概ね4~5%前後で推移しています。
VYMの3.0~3.5%と比べると、配当利回りは高くなっています。
上位10セクター

他の高配当ETFと比べ、「不動産」と「金融」の割合が大きいことが特徴的です。ちなみに、VYMは不動産が除かれています。
SPYDの特徴

特徴として、
①約80銘柄に均等投資を行っていること
②半年ごとにリバランスが行われる
均等投資について
VYMを含め、主なインデックスファンドは一般的に「時価総額加重平均型」の投資を行っています。時価総額加重平均とは、平均値を算出する場合に単純平均をせず、時価総額の大小を反映する計算方法のこと。つまり、時価総額の大きい銘柄のシェアが大きくなります。
例えば、S&P500指数に連動するVOOの場合、上位5名柄のGAFAMだけで20%以上のシェアとなっています。
SPYDは、約80銘柄に均等投資するため、時価総額の大小に関わらず、各銘柄が約1.25%ずつのシェアとなります。1月のリバランスからの相場変動により、期中でシェアは多少変動しますが、現時点でトップの銘柄でも1.5%台となっています。
リバランスについて
リバランスとは、構成銘柄の入れ替えやシェア調整を行うことです。SPYDの場合、毎年1月と7月にリバランスを行います。
高配当銘柄に均等投資を行うために、定期的な銘柄の見直しが必要となるわけです。
2021年1月は7銘柄の入れ替えが行われました。
除外される要因としては、以下のことが考えられます。
・株価高騰による配当利回り低下
・業績不振等による減配の決定
・S&P500の構成銘柄から外れた
メリット・デメリット
SPYDの大きな特徴である「均等投資」と「リバランス」によるメリット・デメリットを整理してみました。
【メリット】
・株価高騰等で利回りが低下した銘柄が除外されることで、高い配当利回りを維持
・均等投資により、1銘柄のシェアが抑えられることで分散効果が得られる
【デメリット】
・高い成長を示した銘柄が除外される一方、株価が下落し配当利回りが高くなった銘柄を選ぶ「逆張り投資」
→キャピタルゲインを狙うのであれば、他の商品を選ぶ方が良い。
→小型株の値動きにより、相場悪化時の影響を大きく受けるリスクがある
実際に、SPYDとVYMの過去5年間の株価チャートを比べてみましょう。
●Bloomberg HPより引用 (オレンジ:SPYD,ブルー:VYM)
新型コロナの影響でどちらも大幅な暴落を経験していますが、SPYDの回復が遅れていることが分かります。(2021年5月時点では、コロナショック前の水準まで回復済)
まとめ

いかがだったでしょうか?
2021年3月の分配金は前回比4.86%の増配となっています。VYMほどの安定感、成長性は期待できないものの、配当利回りの高さは魅力的ではないでしょうか?
1株が約40ドル(4,000円代)と他の高配当ETFに比べ、単価が低いので少額投資におすすめです。最後に、米国高配当株投資を始めるときに、私が参考にした書籍はこちらです。
