基礎編

超重要!米国雇用統計とFOMC声明 2021年6月発表の内容とは

米国雇用統計と FOMC声明
投資初心者
投資初心者
「米国雇用統計とは?」
「FOMC声明の影響について知りたい」

この記事では、こんな疑問にお答えします。

この記事を書いているのは、

ケイさん
ケイさん
米国株投資経験3年の40代サラリーマン。中小企業診断士の他、証券外務員一種、FP2級の資格を保有しています。
本記事の要約

・米国株投資で主要な経済指標について解説しています。
・雇用統計とFOMC声明の概要について説明しています。
・2021年6月発表内容について解説しています。




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経済指標とは

統計
経済指標とは、各国の政府や中央銀行が定期的に集計し発表する経済データのことです。

消費者物価指数、政策金利、失業率、国内総生産(GDP)など多岐に渡ります。

発表結果が市場の事前予測と乖離する場合、株価変動の要因となるため、主要な経済指標については特に注目されることとなります。

その中でも特に米国の経済指標は重要です。ドルが世界の基軸通貨であることや、米国が世界経済を牽引しており、各国の経済政策にも強く影響するためです。

毎月、たくさんの経済指標が発表されますが、一般の個人投資家が全てをチェックすることは難しいですね。

そこで本記事では、米国株や米国ETFへの投資を行う個人投資家であれば、初心者でも知っておきたい超重要な経済指標である「米国雇用統計」と「FOMC声明/議事録」についてまとめてみました。

それぞれの内容に触れる前に、一般の個人投資家に知っておいてもらいたいことが、「経済指標を見るポイント」についてです。

経済指標を見るポイントは以下の3点

1.前期比や前年同期比で比較し傾向を掴む
2.事前の市場予想との乖離が大きいか小さいか(大きい場合、その要因は?)
3.発表内容を踏まえ、市場はどのように判断・反応したか

重要度の高い経済指標から、一つずつ内容を理解し、定期的にウォッチしていくようにしたいですね。

米国雇用統計

雇用

概要

米国労働省が毎月第一金曜日に発表。アメリカの雇用情勢を調査した統計で、最も重要な経済指標の一つです。

発表される10数項目の指標のなかで主なものは下記の通り

・失業率
・非農業部門雇用者数
・週労働時間
・平均時給
・労働参加率
・長期失業者数(27週間以上職に就いていない)
・業種別雇用者数(製造業、建設業など)

この中でも「失業率」と「非農業部門雇用者数」が特に注目されています。それはFOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策に大きな影響を与える指標であるためです。

2021年6月発表 5月雇用統計結果

雇用統計
2021年6月4日に発表された5月速報結果は上記の通り。

失業率は5.8%と市場予想5.9%を下回りました。失業者数は前月から49万6千人減少しました。

非農業部門雇用者数は55万9千人増加し、こちらは市場予想67万1千人増には届きませんでした。しかし、4月の27万8千人増加に比べると大幅に増加しており、コロナワクチン接種の広がりにより経済回復のペースが改善していることが分かります。

簡単にまとめると、

「失業率」「非農業部門雇用者数」ともに

前月比では「改善」するも、市場予想よりは「下回る」結果に

「失業率」や「非農業部門雇用者数」の指標が改善していることは、経済の面からみると、プラスの材料となります。

しかし株式市場の面からは、景気対策の縮小や政策金利の引上げ(景気が過熱しすぎないように)警戒などから、指標が改善することがマイナス材料となりえます。

今回は、両方の指標は改善するも、市場予想を下回る結果となったことで「雇用の安定にはまだ時間がかかる」と判断され、株式相場にはプラスの結果となりました。

株式相場は市場の予想を事前に織り込む傾向があるため、指標そのものがプラスかマイナスかよりも、市場予想との乖離幅が大きいと影響を受けやすくなります。

5月雇用統計のポイント

上記の経済指標を見るポイントを踏まえ、振り返ってみると

1.結果および前月との比較

失業率、非農業部門雇用者数ともに前月より改善しており、経済活動再開による雇用拡大が続いていることを示す結果

2.市場予想との乖離幅

市場予想を下回る結果となり、労働参加率も低い状況から、金融緩和の議論は先延ばしに

3.株式市場はどのように判断しているか

市場予想を下回ったことから、金融緩和継続の期待が増え、株式市場はプラスに影響(株価上昇)

FOMC声明/議事録

決定会合

概要

FOMCとはFederal Open Market Committeeの略で、日本語では米国連邦公開市場委員会といいます。米国の中央銀行ともいえる米連邦準備理事会(FRB)が開く、アメリカの金融政策を決定する会合のことです。

年8回(6週間毎の火曜日に)開催され、政策金利(FFレート)の上げ下げを決定したり、景気見通しや今後の経済対策の方針などを声明として発表します。

FOMC声明は株式や債券相場、各国の金利などにも大きな影響を与えるため、とても注目されています。

FRBは7名の理事(うち議長1名、副議長1名、規制担当副議長1名)で構成されています。FRBはその下に12の地区連邦準備銀行(地区連銀)を抱えており、FOMCは7名の理事(現在1名空席)と5名の地区連銀総裁が投票権を持っています。

理事とニューヨーク地区連銀総裁は常任ですが、残り4名の地区連銀総裁は輪番制により1年交替となっています。

ドットチャート

2021年6月ドットチャート
(投票権を持たないメンバーを含む)FOMC各メンバーが適切と考える政策金利水準の予想を、ひとつの点(ドット)として散布図で表したものをドットチャートといいます。

3月、6月、9月、12月にはFRBがドットチャートを公表します。FOMCメンバー(18人)が、米国の政策金利(FFレート)の水準を予想します。

2021年6月の予想値は下記の通り。

・2021年末:全18人がFFレート0.125%の据え置き(前回3月と同じ)

・2022年末:11人が0.125%据え置き(前回14人)、5人が0.25%への利上げ(前回3人)、2人が0.5%への利上げ(前回1人)

・2023年末:5人が0.125%据え置き(前回11人)、2人が0.25%(前回1人)、3人が0.5%(前回1人)、3人が0.75%(前回3人)、3人が1.00%(前回2人)、2人が1.50%(前回0人)

2021年6月のFOMC声明の内容と影響

経緯

ワクチン接種により米国経済は急回復している一方大規模な景気対策、金融緩和を継続していることから、インフレが懸念されるようになってきました。

株式市場では「いつテーパリング(量的緩和の縮小)」が始まるかに関心が集まっており、今回のFOMCではその手掛かりが示されるのではないかと注目されていました。

今回発表内容

今回の内容をまとめると

FOMCのポイント

市場予想の通り、ゼロ金利政策と量的緩和の維持を決定
ドットチャートが予想よりもタカ派的な内容に(政策金利見通しの中央値は2023年に0.625%と、前回の据え置きから2回の利上げに修正)
・テーパリング(量的緩和の縮小)については、次回会合から議論開始へ

2021年6月のFOMC声明の後、メンバーの発言により一時的に株価が大幅下落しました。株式市場への影響がいかに大きいか分かりますね。

今回ご紹介した「米国雇用統計」と「FOMC声明」は世界中が注目しており、投資初心者でも概要は確認しておきたい最重要の経済指標です。投資戦略にも影響するので、これからも注目していきましょう。